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【News】上海地下鉄で来年初めアリペイと顔認証導入へ

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最近、上海申通地下鉄グループ(中国語 : 上海申通地铁集团有限公司)とアリババ(中国語 : 阿里巴巴)、アントファイナンシャル(中国語 : 蚂蚁金融)が戦略的業務提携を締結した。音声認識システムによる切符購入や顔認証システムによる改札通過、乗客の流れを把握するスマート分析システムなど、アリババの最新技術が上海の地下鉄にふんだんに導入される予定だ。

 

現在上記の技術は実用化に向けたテスト段階で、先月上海浦東空港と龍陽駅を結ぶ上海リニアモーターでの試験運用が行われている。地下鉄には、来年初め正式に全17本線に導入される見込みだ。

 

乗客は、予めスマートフォンに上海地下鉄の公式アプリ"METRO大都会"をインストールし、アプリとアリペイ(中国語:支付宝)を紐付けするだけで利用することができる。

改札入場•出場の際に改札にスマートフォンをかざし、出場の際に運賃が支付宝から自動的に引き落としされる仕組みとなっており、小銭を用意して切符購入を行ったり、ICカード(中国語では交通卡)にチャージして持ち歩く必要が無くなり、スマートフォンだけで地下鉄による移動が可能となる。更に、スマートフォンがオフライン状態になるまたは支付宝の残額が無くても乗車でき、運賃の後払いが可能となる。将来的には、スマートフォンさえも不要となり、顔認証だけでスムーズに改札を通過し乗り降りする事が可能となるようだ。

 

アリババの最先端技術である、自然対話型スマート音声認識システムと乗客の流れを把握するスマート分析システムが上海の地下鉄に導入されることにより、アリババが上海地下鉄にとって最も重要なパートナーのIT企業であることが裏付けられた。

 

前者の自然対話型スマート音声認識システムは、地下鉄の券売機に搭載される予定で、例えば、「东方明珠(東方テレビタワー)に行きたい。」などと、券売機に目的地を話しかけるだけで、自動で目的地の下車駅を教えてくれる。同時に顔認証によって切符購入が完了しており、この間わずか数秒ほどという。

 

アリババの秘密研究機関と言われているiDST(Institute of Data Science&Technologies)所属、人工知能のシニアスペシャリスト鄢志杰(Yan zhi jie)氏は、「今までの音声認識といえば、殆どが自宅や車内などの比較的静かな環境の中で行われていた。今回導入される音声認識システム搭載の券売機は、自宅や車内とは真逆の公共機関である地下鉄という、音声認識にとって不利な環境において、正確な音声認識を実現させることとなるだろう。我々が開発した音声信号処理とコンピュータ視覚技術を融合させた技術によって、騒音による音声認識の精度低下の問題を解決することができる。いずれは、ユーザーが券売機に近づいただけで自動的に稼働し、切符を購入するために呼びかける必要が無くなるだろう。」と述べている。

 

こういった"次世代の人とロボットの相互作用"という技術は、アリババDAMOアカデミー(中国語:阿里巴巴达摩院、DAMOはDiscovery, Adventure, Momentum and Outlookの頭文字をとったもの)が発表している重要研究テーマの一つである。乗客の流れを把握するスマート分析システムは、映像識別技術に基づいており、この技術は人の目の代わりとなって駅構内の乗客の流れや密度、混雑指数などを観察すると同時に、運行状況やその日の天気などの外部情報と合わせて未来の状況を予測し、駅員の乗客誘導をサポートし混雑による危険などから乗客の安全を確保することが可能になるとみられている。

 

日本でも既にSonyが開発したFeliCaなど、スマートフォンをかざすだけで改札の通過が可能となっている。また先月末、三菱電機によるフラット型改札やAIを利用した駅構内の映像の分析といった鉄道向けの最新技術が発表されており、これらの技術は現在開発中でいずれもICカードが必要となっている模様だ。

 

この記事はチャイナテックメディアが以下の参考資料をもとに翻訳・修正・加筆をしたものです。

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