はじめに
中国最大のチャットアプリWeChatは中国で約8億人、世界で10億人の月間アクティブユーザーを擁するといわれています。そのWeChatにはWeChat Payという電子決済サービスも備わっています。そして、チャットアプリで電子決済ができることにより、チャットで簡単に送金できることを可能にしました。これは、チャットアプリが銀行と結びつくことによって可能となったサービスになります。
実は、WeChat Payには送金する方法がいくつか存在することはご存知でしょうか。
今回はそのWeChatで友人に送金する方法と手順について紹介したいと思います。
事前に準備するもの
・WeChat(アカウント登録済み)
・WeChat Payの登録
- 登録の仕方は別のサイトに情報が載ってますのでそちらを参考にしてください。
- 登録せずに送金する方法はありますが、今回はWeChat Pay登録を前提として紹介しています。
送金する方法
送金する方法はチャット内送金とチャット外送金に大きく2つに分かれます。
- チャット内送金=We Chatで友人とチャット内で送金する方法
- チャット外送金=友人以外に送金、またはチャット外で送金する方法
チャット内送金
〇普通送金
一般的なチャット内での送金方法です。友人限定の個人間送金になります。
〇ラッキーマネー(紅包⦅ホンバオ⦆)
中国には春節の前にお年玉やご祝儀を渡す慣習があり、そのお金のことを紅包(ホンバオ)と呼びます。従来は、赤色の封筒でお金を包んで渡すのが通例でしたが、現在ではデジタル送金による紅包が大いに活用されています。
個人送金の場合だと普通送金とさほど変わりません。縁起が良い時に使用するのが適しています。また、グループチャットであれば、チャット内でランダムに送金することもできます。受け取る人数、合計送金額、各受取金額を予め選択することができます。
〇割り勘送金
グループチャット内のメンバーに同額または指定の金額の送金要請を出してスムーズに支払い(送金)することができる方法です。
チャット外送金
〇銀行に送金
相手の銀行カード番号を入力し銀行口座に直接送金できる方法です。
〇お金を受け取る
相手のQRコードを読み取ることで送金することができる方法です。
送金手順
チャット内送金
〇普通送金
step1: □の【送金】を選択
step2: 金額を入力
step3: □を選択し、残高か登録した銀行口座で出金するのか選択
step4: 【今すぐ払う】を選択し、支払いパスワードを入力し完了となる
〇ラッキーマネー(紅包⦅ホンバオ⦆)
ラッキーマネーには個人送金とグループチャット送金の二種類があります。
≪個人送金≫
step1: □のラッキーマネーを選択
step2: 金額を入力し、【ラッキーマネーを準備するを】選択
step3: 支払い方法の選択をし、【今すぐ払う】を選択後、パスワードを入力し完了
(自分)
(相手)
≪グループチャットでの送金≫
step1: □のラッキーマネーを選択
step2: 金額と数量を入力し【同額】か【ランダムな金額】かを選択後【ラッキーマネーを準備する】を選択
- 同額=グループチャット内のメンバーに同額を送金
- ランダムな金額=グループチャット内のメンバーにランダムな金額で送金
(例)Aさん12元、Bさん8元*メンバー数よりも、数量の方が少ない場合は、早い者順で受け取るシステムである
step3: 支払い方法の選択をし、【今すぐ払う】を選択後、パスワードを入力し完了
(相手)
*【ランダムな金額】を選択した場合
〇割り勘送金
step1: 〖本人〗の画面で【ウォレット】を選択
step2: 〖ウォレット〗の画面で【マネー】を選択し、【割り勘】を選択
step4: 【今すぐ作成】をタップし、割り勘をしたいグループチャットを選択
step5: 合計金額を入力し、【同額】か【特定の金額】を選択する
- 同額=選択したメンバーに同額を請求できる
- 特定の金額=各メンバーにそれぞれの金額で請求できる
step6: 【今すぐ作成】を選択し【送信】をタップ
step7: 支払い方法の選択をし、【今すぐ払う】を選択後、パスワードを入力し完了
(相手)
チャット外送金
〇銀行に送金
step1: 〖本人〗の画面で【ウォレット】を選択
step2: 〖ウォレット〗の画面で【銀行カードに送金】を選択する
step3: 金額を入力し【送金】をタップ
step4: 支払い方法の選択をし、【今すぐ払う】を選択後、パスワードを入力する
(自分)
送金した後に〖チャット〗画面に、送金手続き完了と送金振込完了の通知がきたら送金完了となります。
〇お金を受け取る
(受け取り側)
step1: 〖本人〗の画面で【ウォレット】を選択
step2: 【お金を受け取る】を選択
step3: □の【金額を指定】をタップし金額を入力*金額を指定していなければ送金する側が設定することになります。
step4: QRコードをスキャンしてもらう
(送金する側)
step1: QRコードを読み取る
step2: 【支払い】をタップする
step3: 支払い方法の選択をし、【今すぐ払う】を選択後、パスワードを入力する
さいごに
さいごに大きく3つのWeChat Payのメリットを言及しましょう。
1 アプリ内で個人送金が可能
2 チャットに取引履歴が残る
3 同時に本人証明や本人認証として機能を果たす
1については電子決済の主要となる点なので、未使用者でも理解できるところでしょう。2については多くの人が盲点であり意外とメリットとして重要な点とも言えます。この履歴が残ることによって取引の証明書となり、セキュリティや決済の不具合などの不安を取り払い安心安全に使用することを可能にしました。また、今後もっと注目されていく点であろう3は、決済と同時に本人確認と本人認証の機能を果たし、例えばシェアリングエコノミーの代表的なシェアリング自転車などのサービスを利用することができます。更に言及すると、WeChat Payに登録されているアカウント情報(パスポートナンバー、銀行口座、住所、名前、携帯電話番号)を別会社と共有することで利用時にその場で決済でき、認証ができることで会社側が利用者に向けてサービス利用の保険のような形で成立しているのです。
また逆に、不便な点もあります。あまりにも電子決済に頼り過ぎていると緊急時に困ります。例えば、充電が無くなった時やネットが繋がらないとき、携帯を紛失したときなどは支払いができません。そうならないために、緊急時用に充電器を持ち歩いたり、少額の現金を持ち歩いたり、多少の対策が必要です。
今回はWeChat Payの送金について紹介しましたが、WeChat Pay、またはWeChatにも気をつけて見てみると、意外と知らない便利な機能があったりするものです。効果的にアプリを使用して、更に快適な中国生活を送りましょう。
*この記事は2018年9月に作成しました。現時点での情報をまとめた記事になります。