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【Report】MIT Asia's AI Agendaにおいて、人工知能及びロボットに対する中国人の認識

更新日:

アジアAIアジェンダ(Asia's AI Agenda)


2016年10月、MIT技術評論がアジア太平洋地区のビジネス界のリーダーを調査し、

続けてアジアAIアジェンダ(Asia's AI Agenda)の簡単なレポートを発表しました。

そして、今年の5月から6月の間にさらなる訪問会議を行い、

調査研究版のレポートを発表しています。

調査研究版のレポートによると、

<MIT技術評論>はアジア太平洋地域の技術トレンド、ベンチャーキャピタル、政府そして企業戦略において、AIのイノベーションの応用や統合を推進するために改めて詳しく観察しという内容です。

さらに、シンガポール・中国・オーストラリア・インドのアジア市場はどのようにこのトレンドを利用するのかを対象にして、調査しました。

その結果、シンガポール・中国・オーストラリア・インドにおいて、

自動化技術の進歩はアジアの会社マネジメントと人材教育の方式を急激に変えていることをはっきりと示していることがわかりました。

また、その意識によって、

彼らの本質的な仕事にさらに注力しざるおえない状況になっています。

というのも、自動化技術だけに止まらず、

AI技術もアジア各経済の企業マネジメントと人材育成の方式に強い影響を与え続けています。

中国政府及び中国の主要なインターネット会社(例えばBAT)は、

すでにこれらの自動化技術やAIの技術に対して大量の労働力を投入したり、投資をしたりしています。

その結果、中国の技術のエコシステムは、

AI領域で世界的に主導的な立場になる可能性を秘めているのです。

 

アジアはAIを追求し、アジアがAIを定義する


アジアは世界経済に強い影響を与える地域として、

AI技術進歩の受益者になるだけではなく、AIの定義者となるに違いありません。

アジアの経営幹部は、

AIとロボット技術は業績に対して強い影響を与えると考えいるが、

アジアの大部分の地域では人工知能の発展と同時に、

必要な技術や技能そして研究開発施設が足りていないという状況です。

そのため、これらの地域の企業などは大量の資源を投入して、

自分たちの機械学習の能力を引き上げる必要があります。

他方で、中国、インドとその他アジアの大型の国家は大量のデータを所有しており、

これらのデータは人工知能の能力を向上させるのに非常に重要です。

一方、オーストラリアやシンガポールはデータ規模が相対的に小さいにもかかわらず、

AIの研究開発及び資源開発において先進性を持っています。

その上、機械学習が歴史のある産業の競争力をいかに補強し増強するかに対して、

明確なビジョンを持つという強みもあります。

 

話をレポートに戻すと、

2016年10月、<MIT技術評論>は60名のアジア企業の経営幹部に対して調査を行い、

人工知能とロボットがアジアビジネス界への影響に関して情報を集めたものも報告されています。

そして、その他24名人的資源の専門家にもインタビューをして、

AIがアジアの労働市場に与える影響及び労働者の将来的な役割の変化について評価を行うというものもありました。

ほとんど多数の回答者は、

人工知能とロボット技術の進歩はアジアの大部分の事業に対してとても好ましい影響を与えると考えていました。

また、大多数の経営幹部の回答者は、

人工知能は著しくアジアの競争力を引き上げ、

特に彼らの製造効率や彼らの顧客データに対する分析能力を引き上げることを期待しています。

しかし、調査によると、

現在、世界の中で一部分の会社だけがアジアの人工知能開発プログラムに投資しているのです。

 

他方で、人工知能領域において、広く受け入れられている仮説があります。

すなわち、人工知能は最終的にあらゆる業種の作業を奪うというものです。

しかし、アジアの人的資源、

つまり、数十億もの数字やネットに詳しい労働者や消費者は、

却ってAIのアジア地域での発展をさらに早めるのではないでしょうか。

インタビューを受け入れてくれた人的資源の専門家たちは、

AIとロボット技術の応用はここ5年以内にアジアで多くの失業を生み出すだろうと考えており、

これは労働者の役割や職業技能に対して多大な影響を与えるだろうと。。。

そして、専門家たちはもっと広範で戦略的な生産管理、及びここ5年以内に人類と人工知能によるマネジメントという役割にシフトすると見ています。

 

AIへの資金が足りない?中国はお金がないわけない!


中国は自動化と人工知能によって、経済構造をシフトさせようとしており、

中国政府も人工知能を新たな重点戦略と成長エンジンという位置づけに加えています。

 

中国は人工知能力領域において競争力がある

以上の戦略に加えて、

中国は人工知能領域において二つの重要な競争資源を持っています。

一つは、国家のデータエコシステム。

これは中国という膨大なネット人口に恩恵を受けているものだ。

つまり、すでに生み出された大量の有用なデータがあり、

それらは機械学習を加速させるのに非常に有用です。

二つは、製造業と物流方面のグローバルな指導力。

つまり、自動化とロボット技術の導入によって、

この二つの業種はある種の革命を経験するでしょう。

 

北京のコンサルティング会社iResearchのデータによると、

中国AI関連産業の市場はすでに相当なものであり、

2020年までに、中国のAI産業の市場は91億人民元(およそ13億ドル)ほどに成長すると予測されている。

ちなみに、2015年予測の14億人民元(2.03億ドル)よりも高い。

また、マッキンゼーは中国の人工知能活用市場は毎年50%の速度で成長し、

グローバル市場全体の年平均成長率20%を超えることが予想している。

 

国を挙げての戦略

北京は人工知能の国家発展計画を立てており、

技術を促進することによって、

経済・社会・福利厚生そして環境方面への活用などの全体的な草案を立てているのです。

中国のほとんどのトップ大学と研究所はこの人工知能領域において広範な学術的研究を進めていて、

科学者と学生の中のAIエリートはすでにこの領域の広い範囲で認可を受けています。

その上、U.S. National Science and technology Councilのデータに基づいて見てみると、

2015年中国はディープラーニングに関わるジャーナルの数量においてアメリカを超えました。

民間系の企業の戦略

国だけにとどまらず、インターネット業界自体もまた中国AIの発展を引っ張っています。

中国最大のテクノロジー会社である、

バイドゥ(Baidu/百度)・アリババ(Alibaba/阿里巴巴)・テンセント(Tencent/腾讯)は研究対象の広い人工知能の実験室と数十億ドルにも及ぶプロジェクトを持っています。

実は、大きな会社だけではなく、

ほとんどの情報系・通信系の会社でもすでに内部組織を作って、

人工知能の開発と活用に取り組んでいます。

 

資金調達について

一般的には資金調達はスタートアップにおいて非常に重要な問題ですが、

中国において、人工知能のプロジェクトのための資金調達は問題にならないようです。

政府の支援を除いて、

他に積極的に投資するところは、

ビックデータ産業からシフトするベンチャーキャピタルがあります。

現在、中国は200社を超えたAIベンチャーがあり、

市場研究会社であるVentureScannerの調査によると、

中国のAIプロジェクト投資資金はアメリカについで2位です。

 

ロボット化への移行

また、政府が支持するロボット革命の中で、

中国の数千もの工場が自動化に向けて移行してきています。

ほとんどの製造業者は先進的な自動化技術と人工知能技術を取り入れて、

コスト削減をすることでしか競争力を維持できないのです。

ある中国ネット企業の人工知能研究専門家は、

「工場作業における若者はすぐに減少する」、

「ロボットを使い反復性の人力作業が取って代わられることは必須であり、私たちはすでに自動車工場の成功事例がある」

と述べています。

 

IFRのデータによると、中国はすでに世界で最も大きな工業ロボットの使用国です。

2015年工業ロボットの販売量は20%成長しました。

中国の物流や電子商取引の部門で移動式ロボットもさらに多くなってきています。

中国は依然として外国の技術に頼って自動化を進めているにもかかわらず、

その国内生産能力も成長しています。

ちなみに、中国ロボット製造メーカーの供給している3分の1は国内の需要です。

ところが、中国は1万名の製造スタッフあたり、

49台のロボットを所有しています(アメリカは176台である)。

これはまだまだ、導入余地があることを指すので、

中国が産業ロボットを取り入れることで産業成長の重要な推進力になることを意味しているのです。

 

IFRによると、中国の中小企業の価格が下落を受け、

技術改善と中国の中小企業活用範囲が拡大し、

自動車・電子・金属と機械などの産業の高水準のメーカーの需要が保たれ、

2019年まで中国のロボット市場はグローバル市場の40%を占めるだろうと予測されています。

ほとんどの中国企業、特に技術追求・顧客重視の企業は、

人工知能を内部効率をあげるツールとして見るだけでなく、

顧客体験を引き上げるきっかけ、

さらには、新たな価値の源として見ています。

 

テンセントの人工知能応用事例

テンセントの人工知能実験室主任の張通潼博士は現在、

探求している4つの主要な方向性について

「1つ目は、更なる知能的な会話ロボットを作り出すこと、情報取得ルートを増やし、顧客体験を向上させること。2つ目は、AIを使い、オンラインの内容を分析し、ユーザーの理解を促進し、さらにいい提案をすること。3つ目は、それぞれ同じではない嗜好をマッチングすることで広告収入を向上させること。4つ目は、次の世代の携帯と自動車などのソーシャルなAI設備の能力を含め、自然言語と人類の相互コミュニケーションを強化すること」

と説明しています。

 

アリババの人工知能応用事例

2017年3月、アリクラウド(alicloud、阿里云)は、

医療と製造業の新たな人工知能サービスをターゲットにすると公表しました。

ET医学大脳とET工業大脳に分けられていて、

後者は生産プロセスの監督、エネルギー効率とメンテナンス予測をするツールです。

2015年からアリババはPAIと名付けるパブリッククラウドの機械学習サービスがあります。

中国企業はクラウドサービスをますます使用されてきているのです。

さらに、クラウドでAIに基づいた商品とサービスにアクセスし、人工知能はすでにクラウドのセールスポイントになっています。

中国企業にしてみれば、クラウドサービスは人工知能の活用をさらに加速させるでしょう。

 

バイドゥの人工知能応用事例

バイドゥ(Baidu/百度)は北京に新たなAR実験室を開設しました。

というのも、ここでは、ARマーケティングツールを開発しています。

 

また、去年、バイドゥはバイドゥベンチャーキャピタルとバイドゥキャピタルを創立し、

前者は前途のある新興AIとAR関連の会社に直接投資し、

後者は中期から後期に至るまでの創業会社に注目して投資するものです。

バイドゥは過去の3年において多くの研究開発プロジェクトを進めています。

そのほとんどがAI関連なのです。

他方で、インフラと医療などの産業を重点ともしています。

例えば、Melodyと名付けられている医療対話ロボットがあり、

ユーザーが医者に診断される前に医療情報を収集するといったケースです。

 

このようなプロセスが普及すれば日増しに悪化している医者不足問題を解決するでしょう。

OECDのデータによると、中国は18.9万人の医者がいて、

それは1000名あたりの国民に対してたった0.2人の医者に相当するようです。

しかし、韓国やオーストラリアのこの数字は0.6と1.5となっています。

長時間労働と低賃金などの原因により、

多くの医学卒業生は他の職業へ就職している現状があります。

 

台湾の楊明大学の研究によると、

過去10年の中で、470万人の学生が中国の医学関連の専門を卒業していましたが、

実際はたった75万人が自分の専攻の職業についているだけでした。

 

金融関連への応用も

他方で、AI関連の投資と研究開発を導入している産業は金融技術産業です。

アリババとアリペイ(alipay,支付宝)の主導のもと、

中国消費者はキャッシュレス社会に前進しています。

CB Insightsデータによると、

中国大陸と香港の金融テクノロジー企業が受け取っているベンチャーキャピタルの資金はおよそ103億ドルにものぼり、世界の50%を占め、アジアの91%を占めています。

 

人口は有利か?産業の人材は依然として少ない。。。


中国は支援強度、投資規模と戦略的視野はみな人工知能やロボット産業にとって優位に働らいています。また、これらの優位性は、一定程度の生産力の問題を緩和しました。

さらに、これらの優位性は人工知能領域の進歩を衰退させるような要素の働きを抑えていたのです。

 

潜在的な問題

AIによる商品とサービスの潜在的なボトルネックは監督管理にあります。

以前から個人のプライバシーと地理情報の安全の問題への心配が出てきていました。

ポケモンGOなどの地理情報に基づくARアプリは禁止され、

今年7月実施された新たなネットの安全に関する法律は中国で企業が個人データを使用する際に制限を設けるというものです。

しかし、これらのデータは人工知能開発人員が機械学習を強化するのに必要な資源でもあるのです。

AI教育不足

広範なAI教育の不足は中国のAI活用の歩みにおいて、AI活用の道筋を制限するでしょう。

マッキンゼーは2016年に多くの産業の経営幹部に対して行った調査によって、

人材不足は人工知能戦略の取り決めにおいて重要な障害であることを報じました。

アメリカでは、50%の人工知能業者は10年を超える産業経験を持っているのですが、

中国では25%も満たしていません。

このレポートではさらに、

中国で少数の機械学習プログラムを持っている大学は今のところ、

AIの実用的な活用の開発は重視していないことを報じています。

 

張潼は「企業は創造と文化の受け入れは必要なことである、整理し統合された技術は同時に人類の変化と適用を助ける。」とは言うものの、

実際のところ、他の中国ネット企業の経営幹部は、

「実用的な活用の開発を重視していないことは、中国人工知能産業が現在遭遇している主な難題であるが、中国はAIを発展させるあらゆる必要な要素をほとんど持っている。つまり、資本・研究開発インフラ・ビッグデータと人材を持っているのだ。しかし、現在、人工知能技術に精通した研究人員と科学者は中国の市場とその将来の活用市場をあまり理解していないのかもしれない。したがって、本当に必要な商品を開発して市場に出すことは非常に難しい。」とも言っている。

 

AIに対する認識が共通ではない、企業はいかに改善するのか?


必要な要素は揃っている

中国の政治、経済と商業圏において、AIの変革性の潜在力は十分に理解されている。

AI投資はすでに人口や環境などの課題に広く対応するものとして、

国家の経済構造シフトの重要な戦略になっている。

だが、仮に人工知能がもし完璧に正確な応用ができたなら、就職市場を再構築できないだろう。

かといって、そんなことはすぐには起きないだろうから、

機械と人は今以上に効果的な仕事ができるはずだ。

依然として理想と現実に距離はあるが、

中国の人工知能のエコシステム極めて全面的であって、

技術能力、資金調達、政府の普及活動と企業活動などの方面の水準はみな世界一流だ。

 

技術者と経営者の間の齟齬

しかし、中国のAI活用はとても大きな問題に直面している。

つまり、AIの専門家が開発する技術とビジネスリーダーのコントロールの中でAIを導入する指導能力との間に齟齬である。

実際のところ、「企業はAIを理解しどのように企業のスタッフを向上させるかを見つけ出す必要がある。(もしくは育成する)」

また、ある中国ネット企業の取締役は「金融と医療産業はAIの背景または技術と業界需要を理解した人材がきわめて重要である。」とも言っている。

十分に人工知能技術を利用するために、

ビジネスリーダーは積極的にデータ分析プロジェクトに参加しなければならない。

さらに、優れた実践経験や見解も共有しなければならないだろう。

同時に、彼らは自動化と機械学習のプロセスを改めて、

会社のさらなる広範な人材管理プロジェクトの中に整理し統合していく必要がある。

機械に耳を傾け、スタッフにも耳を傾けることで、

企業の生産力はAIの力を借りた上で向上させていくことができるだろう。

 

 

参考資料:未来图灵,MIT亚洲AI议程:中国AI要领先全球,还差这一点“东风”

 

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